ムッタは準備中

いま、スマホのYahooトップで無料で読める漫画の「宇宙兄弟」を毎日1話ずつ読んでます(^o^)
2年前実写映画見てかなり良かったから原作も読んでみよーということで!

言葉選びとか好きな漫画です。
お話は子どもの頃から宇宙に憧れて、月や火星に行く!と宣言して勉強していた兄弟が、大人になって弟は本当に宇宙飛行士になって今度日本人で初めて月にいくことになった。
が、主人公は兄の方。兄は自動車の設計の仕事をしていて、弟のことを悪く言った上司を頭突きして会社をクビになったところから物語がスタート。弟が宇宙飛行士になってからは "南波日々人(ヒビト)のお兄ちゃん"とばかり呼ばれるようになり、劣等感を感じていたところ、今度はニートになってしまった南波六太(ムッタ)。
実家に帰って次の職探しをしていると、その事がアメリカに住むヒビトの耳に入り、ヒビトと母の手によりムッタはJAXAの試験を受けることになる。


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ムッタは子どもの頃からヒビトに対していつもお兄ちゃんでありたい!というのがあって勉強を教えたりいじめっ子に頭突きしたりしてきたが、段々ヒビトが頭角を現して勉強の成績がよくなったり、本当に宇宙飛行士になってしまう過程でムッタは少しずつヒビトに張り合うことをやめてしまう。
漫画は主人公であるムッタの辛さが全面に出るが、実はその裏でヒビトも自分に対してムッタが張り合わなくなっていったことにつまらなさや寂しさを感じていた。

そうなのか!と思った。
大人になるにつれてめちゃすごい人、めちゃ強い人に張り合うパワーとかやる気?が削がれていく気持ちってすごい分かると思ったけど、そうやって戦線離脱していくことをヒビトがつまらないって思ってたってことは新鮮な驚きだった。
多分わたしも「あいつはいーよな、すげーよな」「でも自分は」と、自分のことばかり考えてしまうだろうなと思う。

張り合うことを「楽しい」と思う気持ちが大事で、そうやって考えるとパワーとかやる気なんて勝手に後でついてまわってくるもんなんだろうな、と思った。
少年が夢を目指す物語じゃなくて、一度夢を諦めた少年が30代(?)からもう一度夢を見るってところが良い。じんわり効く感じがする。

1人アメリカに旅立ち生活するヒビトは、周りの人にいつも「もう一人月にいくべき人がいる。」「ムッタは今準備中」と説明していた。
その頃はまだムッタはまだ自分が宇宙飛行士になる試験を受けるなんて考えてもせずに自動車の設計をしている時だった。
ムッタはその事を後に試験を受けている最中、ヒビトに呼ばれて(試験から次の試験まで時間が空く)NASAに行った時に近所の人から聞いて知ることになる。

ヒビトが周りにそんなことを吹聴していたことにムッタは恥ずかしがっていたけど、そうやってヒビトよりも長い回り道をしていた期間も全てムッタにとっての「準備期間」であるとヒビトが言い切っていたことにむやみに感動(;_;)

不器用だったり諦めちゃったり、ヒビトみたいにストレートに頑張りきれる人って夢が大きければ大きいほど、割合としては多くはないように思う。
でも、ただただ夢を諦めた人で終わるのではなく、復活して結局夢を叶えたならばそれは「ちょっと回り道した時期もあったね」ってだけのことになる。
そんな時代もあったねと。

準備期間が長い人もいる。ただ、張り合う楽しさをいつも味わえる人生は超楽しい。

燃え上がる漫画です。良い。